園長コラム

2017.09.01

幼児期の教育 vol.2

早速ですが、前回の続きのお話をさせていただきます。

前回のお話の元になったのは「なぜ廃材遊びが大切なのか、子どもの何が育つのかを教えてほしい」というご意見への回答の一部です。その遊びそのものの説明も大事ですが、その背景にあるものをご理解いただきたく長々と説明しました。

さて、廃材遊びとは多様な素材(廃材)を使って行う製作活動の一形態です。

製作活動とは、おおよそ2~3歳くらいから始まりますが、まずは素材に触れて、素材を直接手で加工する経験をします。粘土に手で力を加える、折り紙を折る、のりを手にとり物と物をくっつける、手に絵の具を付け紙に押す、などですね。

3歳の年少児からは、ハサミという道具を使うことが始まり、素材の組み合わせも少し複雑になります。紙や画用紙をハサミで真っ直ぐ切ってみる、そして、それをのりやテープでつなげてみるといった感じですね。この頃になると、導入(子どもの興味を引き立てる仕掛け)で教師が見せたお手本を、頭の中でイメージとして残すこともできるようになってきますし、そのイメージを形にするという意識で活動に取り組めるようになります。作ったもので遊ぶこともできるようになってきます。でも、一人遊びです。

そして、4歳の年中児からは、より複雑な過程(紙を丸く切るなど)を経た製作をすることができるようになります。使う素材が多様であれば多様であるほど、難易度も増し、技術が向上します。素材が廃材であることに意味を持ちだすのは年中組くらいからです。製作物も、実際のものが目の前になくても、イメージを頭に描き、架空の製作物が作れるようになっていきます。それを使って友達と遊ぶようにもなります。友達と遊ぶことをイメージして製作活動をしている子もいます。でも、製作物自体は一人で作ることが多いです。

さらに、5歳児の年長児にもなれば、より大きなもの(世界観)をイメージし、友達と遊ぶことを想定しながら、友達と協同して作り上げることができるようになります。複数人で製作するということは、イメージを一致させなくてはいけませんし、意見の相違などもありますが、語彙も豊かになり、お互いの気持ちを察することができる年長児であれば、こういった活動が可能になります。

では、まとめに入ります。

元々、製作活動は子どもの育ちが見えやすい活動ではあるのですが、廃材であることで組み合わせの難易度が上がることや、イメージが広がることに私達はとても魅力を感じています。同じ物が出来上がりにくいことや、その子のこだわりやツボも分かります。

年少の3歳児であればお手本を見ながらになりますが、心も身体も成長しているのに、お手本通りに作る活動ばかりしていると、子ども達も退屈ですし、私達もその子の育ちが分かりません。私達は、豊かな環境というものは、自らが興味を持ち、自らで何かを選択し、より複雑で手間がかかり、正解はないが達成感はある世界だと考えております。安全な園内の中でそういった環境を作り出すための廃材遊び、ということでした。

園長 三宅貴之

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