園長コラム

2018.04.27

子どもの中の時間軸

朝、登園すると早々に身支度を済ませ、自分で遊びたいものを見つけて遊び込む年長児・年中児。時間をかけて身支度をがんばっている年少児・ひよこ組。今年は意識的に部屋の外の世界を楽しんでいるたまご組。この2週間ほどで随分と落ち着いてきました。最近は入園前に園庭開放等で幼稚園に来ることが多く、慣れているからでしょうか。バスで登園する新入園児にも涙涙の姿はあまり見られません。

たまご組やひよこ組の子の中には抱っこされている姿もよく見かけますが、1日中というわけでもないようです。年少クラスの担任達は涙涙で大混乱の朝を予想していただけに、少々肩すかしをくらった気分かもしれません。お家の方に会いたいという自然な気持ちをもっと表現してくれてもいいですし、不安なことがあったら伝えてね、と思っています。5月の連休明けでこの状況も1度リセットされますので、受け止め包み込んでいく姿勢を担任は崩さないよう構えていてほしいです。

 

先日行われた家庭訪問では大変お世話になりました。

ご家庭での様子と幼稚園での様子の両方見せていただくことで、そのお子さんにとってどういった援助が適切だろうかということに関して担任の理解も深まったことと思います。翌日には「昨日、先生来たよね~」「ね~。先生行ったよね~」という会話が交わされたようです。子ども達にとっては先生が来てくれることは特別な体験なんですね。

さて、この“昨日”というキーワードについて1つお話を。

2~3歳前後でこういった会話ができる子は、その翌日に会っても「昨日来たよね~」と言います。おそらく1週間後でも同じです。それは、このくらいの年齢の子どもの時間軸がまだ不安定だということが理由です。彼ら(彼女ら)は「過去は全て昨日」「未来は全て今度」という世界観で生きており、こうだったという事実とこうありたいという願望の狭間で、記憶が曖昧なのもこの年齢の特徴です。そして、時間軸が不安定ゆえに経験則が蓄積されにくく、過去の経験に照らし合わせて現在のふるまいを選択する、これからの見通しを持って現在これをやっておく、ということが難しいのです。幼稚園では同じことを何度も何度も伝えていくことになりますし、ご家庭においては何度も同じことで注意されてしまうでしょう。

でも、いずれは4歳、5歳と成長していく内にこの時間軸が確立されていきますので、今はこういうものだと割り切って、根気よく付き合ってあげてください。お子さんを怒って動かしてばかりいると、過去の経験と照らし合わせて判断する、原因と結果の因果関係を理解して判断する力が育たず、「怒られるから○○する」子どもになってしまいます。私どもも、特に1~2歳の保育は、子ども達の思いを「そうだよね~」と受け止めつつ、「でもね、○○だよね~」というやりとり(受け止めて切り返す)を根気強く行っていくことが専門家としてのふるまいであると認識しています。子ども達と“今”行っているやりとりの一つ一つを大切にしていきたいと思っています。

園長 三宅貴之

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