園長コラム

2019.04.26

ならぬものは

朝、9時30分になると、真新しいカラー帽をかぶり外に飛び出してくる年中児・年長児。涙々の子もいる中、自分で身支度をしようとしている年少児。先生に手伝ってもらって身支度を済ませると、自分の遊びに没頭しているひよこ組。そして、母子分離に涙が止まらないたまご組。いろんな様子が見られた4月当初でしたが、少しずつ自分の居場所や拠りどころ、小さな楽しみを見つけてきている子ども達の姿があります。

ひよこ組の子の中に涙々でバスから降りてきた子がいたので、背を屈めて声を掛け、膝にのせて靴を脱がせ、クラスまで一緒に歩いて行こうと手を差し出しました。すると、その子は手の平ではなく、一番外側にある小指をそっと握ってくれました。たまご組・ひよこ組の先生方は、日常の中にこういった小さな出来事がたくさんあって、その度に心を動かされ、幸せを感じてがんばれるのだろうと思ったところです。だんだんと落ち着いてきた園内ですが、今年の大型連休もあって、この状況も1度リセットされます。5月の連休最後の参観日でお子さんが涙々であっても、無理に家族から離そうとせず、側にいてあげてください。この前卒園した小学校1年生も、いま園内で最上級クラスの年長児も、みんなが通ってきた道です。焦らず、ゆっくり子ども達の成長を見守っていきましょう。

さて、13日に行われた入園式で、保護者代表のご挨拶の中にこんなお話をいただきました。「ならぬものはならぬ」「悪いことをしたら、しっかり叱ってください」

大変ありがたいお言葉です。

私も、様々な年齢の子ども達、その子その子に言葉を噛み砕いて説明をし、理解・納得してもらうという手続きはとても大事ですし、その時の気分で子ども達の要求や行動を制限してしまうことは良くないことだと思っています。しかし、その年齢では理解できないこと(相手の気持ちを推し量ることや、行動の結果起こり得る見通し、親の価値観)であれば、「ならぬものはならぬ」という一刀も必要だと思っています。そして、自分が感じる怒りからではなく、(今は理解できないかもしれないけれど)本当に子ども達のことを思って叱るのであれば、その気持ちを素直に受け取ってくれるのも子ども達です。本園の職員を見ていても、叱った後のフォローまでしっかりしているからこそ、子ども達との信頼関係が作られていくのだろうと思います。

もしも、私世代が子どもの頃に「生きる力」という言葉があったとしたら、それは「理不尽さの中で自分を見失わない」ということだったように思います。その頃に比べると時代は大きく変わりましたが、この世界の営みの中にある真・善・美をしっかり子ども達に伝えていきたいと思ったところです。

園長 三宅貴之

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