園長コラム

2024.03.06

仲間とともに

ここ数日は晴れた日が続いていますが、一雨ごとに暖かくなっていく季節がやってきました。本日は誕生会。午前中は「おめでとう~!」の声が飛び交いましたが、お昼休みの園庭は、“年長児 vs担任3人”というドッチボール対決が行われており、「ワー!」「キャー♪」という歓声でとても賑やかです。今のクラスの仲間と過ごすのはもう1ヶ月もありません。残り少ない時間を十分に遊び尽くそうとしている子ども達・担任達です。

3月は別れの季節であり、旅立ちの季節でもあるので、ある年長児のお話をしてみます。

先日、今年度2回目のマラソン大会が行われました。今回も全員が無事に完走してくれましたが、その中にこんなドラマがありました。その主人公はとある男の子。その子は足を痛めていて、マラソン大会当日は残念ながら見学する予定でした。スタート地点近くのイスに腰かけ、ウォーミングアップがてらトラックを歩いている仲間達を眺めながら、マラソン大会が始まるのを待っていました。しばらくして、スタート地点に戻って来た仲間達。スタート時間まで少し時間があったので、身体を動かしながら待っていると、その男の子が、何を思ったのか担任の元へトコトコと歩き出し、こう伝えました。「僕も少しだけ走りたい」。担任はその訴えに驚きましたが、1周400メートルのトラックを2周するのはキツいだろうと考え、「じゃあ、1周だけみんなと走ろうか」という提案をし、その子もそれで納得しました。みんながスタートし、1周目を走り終え、2周目に入ったところからその子も合流しました。もちろん、足が痛いので、ペースはゆるやかで、みんなとはどんどん差がひらいていき、担任との2人旅が続きます。そして、最後のコーナーを曲がってゴールまでのバックストレート。沢山の応援と拍手で迎えられる中、動きはギコちないですが、ちょっと照れくさそうで、それでいて嬉しそうな笑顔をしながらゴールしました。その姿にとても胸を打たれました。

私が感じたのは、一人で遊びに夢中になる姿も教育。みんなはこう言うけど僕は(私は)こう思うという姿も教育。そして、みんながやっているから僕も(私も)やってみたいと思うのも教育の中で生まれる姿だということです。先日のPTAの懇親会やお話宅急便でも感じたことですが、共に励まし合い、一緒に頑張れる仲間がいるということは子ども達や保護者の皆様にとってはとても大きな存在なのだと思います。今年度は、園庭などの至るところで保護者同士が会話する姿を沢山見ることができました。そうやって成長してきた年長組の子ども達と過ごせる時間も残りわずか。幼稚園で培った感性をそのままにこれからも大きく成長し、明るい未来を作っていくための大きな力になってくださいね。

又、3月は職員との別れの時期でもあります。

これまで様々なポジションでご活躍いただいた“仲間”達が次のステージへと旅立たれます。本当にありがとうございました。どうかいつまでもお幸せにお過ごしください!

最後に、卒園される子ども達や退職される先生方に素晴らしい未来が訪れることを心よりご祈念申し上げ、次の学年に進級する子ども達の成長を願い、今年度最後のコラムとさせていただきます。1年間ありがとうございました。

園長 三宅貴之

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