園長コラム

2024.06.01

安全な避難所と安心の基地

年少組も朝のフレッシュタイムに加わり、みんなで体操やマラソンを頑張っています。そして、その時間が終わると、子ども達の額には汗が光っています。夏の暑さを感じる時期となりました。先週末には園庭にプールが登場し、大興奮の子ども達。組み立てをしている職員達に「がんばれ~♪」と、たくさん声援を送ってくれてましたよ。登場したてのプールですが、もう間もなく梅雨入りします。晴れ間を願って・晴れ間を狙って、プール遊びも楽しんでいきたいと思います。

又、園生活に慣れてくるとともに、小さなケガやトラブルも起こっているようです。ケガが起こるということは、安全な場所から自分で新たに動き出し、その環境に適応しようとしている証しとも言えますし、トラブルも自分の思いや意志を表出しようとしているということです。「貸して~」「仲間に入れて~」「いいよ~」が続けばもちろんいいのですが、時に「イヤだ!」に出会うこともあるかと思います。それも集団生活の醍醐味です。言い方や言うタイミングを工夫するかもしれませんし、待つことや順番という概念を覚えていくのかもしれません。交換することや代替物を提案することをするかもしれません。人間というのは、そう簡単に自分の思い通りにいかないからこそ工夫していきますし、新しい考え方を取り入れて成長していく生き物です。このほんの2ヶ月間の子ども達の姿から、そんなことを考えさせられました。

さて、5月に入ってすぐに「アタッチメント」に関するテレビ番組の紹介をさせていただきました。ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。もしご覧になっていない方は「アタッチメント 遠藤利彦」で検索してみてください。

番組の中では「アタッチメント」に関してとても平易な言葉で分かりやすく説明がなされていました。愛情をもって接するということとはちょっと違う、スキンシップともイコールではない。子どもが不安になったとき・感情が崩れたときに“特定の人に”くっ付いて立ち直っていくということです。子どもは好奇心と恐怖心の間を行ったり来たりしながら生きていますが、成長するためにはその恐怖に打ち勝っていかなければいけません。その時に大事なのは、「何かあったらあの人に助けを求めればいい」という見通しです。その見通しがあれば、探求→不安→安心→再挑戦のサイクルの中で安心感の輪を広げていくことができるというお話でした。この仕組みは、安心・安全なお家から幼稚園という新たな場所で生活を始めた子ども達にもそのまま当てはまりますし、幼稚園で(時に戸外で)過ごす中でも回っているサイクルです。ご家庭ではご家族が子ども達の安全な避難所と安心の基地であってほしいですし、幼稚園ではクラス担任を中心した保育者達が子ども達の安全な避難所と安心の基地となり、子ども達の成長を促していきたいと思います。ご家庭と園が共に力を合わせてまいりましょう!

園長 三宅貴之

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